未熟者の傷跡
俺は嘆きの目を西山に向けた。
「…助けて西山。」
西山はチラッと俺を見てから、藍川さんを見て笑った。
「良いよ良いよ〜、藍川さん。もう海人の頭なんてガンガン叩いちゃって!!メッチャ良い音するからさ。」
「そうそう!俺の頭、超良い音するから!楽器だから…。……って違うだろ!!西山、余計な事言うんじゃねえや!!そこは俺をフォローするトコだろ!!」
「いやいや、俺は海人をフォローする義務も責任も無いから。」
「まあまあ、堀越君も西山君も喧嘩しないで。藍ぴーもそんなに叩かないの。」
芹川さんが苦笑しながら言って、藍川さんはようやく叩くのをやめてくれた。
「あ、お客様来たよ〜。ほら、戻って戻って。」
タイミングが良いのか悪いのか、お客様が来た。
ユーキに背中を押され、俺達は教室に戻る。
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