未熟者の傷跡
部活の後輩も遊びに来た。
どうやら彼氏と一緒らしい。
…良いねぇ、モテる奴は。俺なんか今年もまた独り身だよ(泣)
彼女は派手に驚いた後、「あれっ?堀越先輩だ!」と拍子抜けしていた。
これだけ派手に驚いてくれたのは、後にも先にも彼女だけだった。
俺は、ケータイを確認したかった。
その日はJリーグ・ナビスコ杯の決勝戦があって、俺の大好きな川崎フロンターレVS強豪・ガンバ大阪と云う組み合わせだった。
家で試合を観戦している家族が、結果をメールで知らせてくれる事になっていた。
教室の照明は全て落としていて、お客様は懐中電灯の光だけを頼りに進む。
その為に、メールを確認する事は不可能だった。
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