未熟者の傷跡
俺達の様子を見て、ユーキは気付いたらしい。
「…………ひょっとして、海人。幸美のコトが……」
スキ、と動くユーキの唇を見て、俺は溜め息を吐いた。
「…だとよ。海人、どうする?」
よっちゃんの質問に、俺は少しだけ考えた。
「……悪ぃ。俺、ちょっと芹川さん探してくるわ。一応戻って来るけど、先生上手く誤魔化しといて。」
ヒューヒューと冷やかす春馬を軽く睨んでから、俺は立ち上がる。
ふと、ユーキと目が合った。
「大丈夫。内緒にしとくから。頑張れ。」
普段は意地悪でムカつくユーキも、何故か優しい。
俺は勢い良く走り出した。
…が、良いが、俺は何処に行けば良いか分からなかった。
取り敢えず、下駄箱に向かう。
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