未熟者の傷跡
とりあえず俺は、下駄箱の前で待った。
待った。
ただ、文化祭の間は来訪者は土足OKなので、ひょっとしたら芹川さんは下駄箱に寄らないかもしれない。
それとも、もう履き替えて、外の出し物を見て回ってたら?
そう考えて、俺は校舎を飛び出した。
分からないけど、あてもなくフラフラと彷徨う。
幸い、芹川さんは比較的すぐに見つける事が出来た。
「…芹川さん!!」
芹川さんが振り向く。
俺は芹川さんに走り寄った。
「…堀越君、どうしたの?」
俺は何か照れくさくなって、視線を少し逸らして小声で言った。
「……芹川さんを、探してた。」
顔が、見れない。
でもこのままじゃ、芹川さんを探しに来た意味が無い。
「…あのっ。…………メールアドレス、教えてくんない?」
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