未熟者の傷跡











文化祭が終わって、俺は放課後を図書室で過ごす生活を続けていた。

ヒロの授業が終わるのを待つのが主な理由だが、宿題や翌日の小テストの為の勉強、一週間分の英語の予習をするのにうってつけだ。


勉強が終わった後はサッカー雑誌やファッション雑誌、司書の先生に薦められた本を読んで過ごした。

新しい情報を知る事は、表現の世界を広げる為に有効だと、つくづく痛感する。




一方、部活を引退した芹川さんは、放課後に図書室に現れなくなった。

彼女は俺と違ってまだまだ受験生だし、部活開始を待つ必要が無くなった訳だし、時間が惜しいのかと思う。

話すキッカケが減っちゃうのは悲しいけど、我が儘言っちゃ駄目だろ。







ヒロが先に帰ってしまう日は、歩いて帰ったり、直と一緒に帰ったりしていた。







ヒロとは、下駄箱で待ち合わせて帰る事も多かった。
いつも俺が待たされてばっかだったけど。








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