未熟者の傷跡







ユーキは鋭い。
ってか俺がボケてんのか。

今の俺は否定したけど。
…でも、確か。
コイツ、俺の想いに、確か気付いてる。
そして恐らく、その事を覚えてる。








翌週の月曜日。

…月曜日は芹川さんは病院に通ってるのか、いつも3時間目が始まってから来る。

俺は1時間目の後の休み時間に、御約束通りに缶コーヒーを飲みながら次の時間の英単語テストの為に勉強していた。

文化祭前に電子辞書が壊れてしまった為、英単語テストの勉強も英語の予習もかなり手こずる。


「えっと…height、…………高さ?」

「堀越君。」

「何だよ?」


俺が振り返ると、藍川さんだった(当たり前か)。
今日は、いつも一緒に居るユーキや金沢さんが一緒じゃない。







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