未熟者の傷跡










……そこはちょっと否定して欲しかった。
迷惑だと笑って、それを肯定されて、喜ぶ奴はいないだろう。

だけど、この肯定すらも想定内だった、と云う事で。








「…あっと、返事はいらないから。」


芹川さんに引き摺って欲しくないから、と小さく呟く。


「ん?…………分かったよ。」

「それだけ。じゃあな。」

「うん、じゃあね。」






そのまま電話を切った俺は、気が抜けてしまった。



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