未熟者の傷跡



翌日、高校の方へ大学合格の報告の電話をする。

俺の担任は学校一、探しても見つからない教師として有名である。
果たして、簡単に捕まるかどうか…。

俺の不安はよそに、意外にも担任は簡単に捕まった。

俺は、大学合格の報告をする。




「…は?」

「いやだから、大学受かったんすけど。」

「は?ちょっと待て。」

俺は大人しく、担任を待つ。

しかし電話に出たのは、俺の進路を強く応援してくれた、合気道部の顧問の先生だった。

その先生は有り難い事に、俺の合格を一発で信じてくれた。
俺の担任とは大違いだ。

その後また担任に変わって、聞いたところ、俺の大学合格があまりにも早くて、どうやら信じられなかったらしい。

俺の努力を知ってた筈なのに、なかなか失礼だ。

第一、日大芸術学部のAO入試は、もっと早いんだぞ(現在ある大学の入試の中では、一番早い筈)。




これで、俺の大学受験が終わった。

しかし、それがまた、新たな心配性と遠慮を生み出す。





.
< 41 / 159 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop