未熟者の傷跡
翌日、高校の方へ大学合格の報告の電話をする。
俺の担任は学校一、探しても見つからない教師として有名である。
果たして、簡単に捕まるかどうか…。
俺の不安はよそに、意外にも担任は簡単に捕まった。
俺は、大学合格の報告をする。
「…は?」
「いやだから、大学受かったんすけど。」
「は?ちょっと待て。」
俺は大人しく、担任を待つ。
しかし電話に出たのは、俺の進路を強く応援してくれた、合気道部の顧問の先生だった。
その先生は有り難い事に、俺の合格を一発で信じてくれた。
俺の担任とは大違いだ。
その後また担任に変わって、聞いたところ、俺の大学合格があまりにも早くて、どうやら信じられなかったらしい。
俺の努力を知ってた筈なのに、なかなか失礼だ。
第一、日大芸術学部のAO入試は、もっと早いんだぞ(現在ある大学の入試の中では、一番早い筈)。
これで、俺の大学受験が終わった。
しかし、それがまた、新たな心配性と遠慮を生み出す。
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