未熟者の傷跡
俺がまったりと自分の席に座ってると、よっちゃんが話しかけてきた。
「よぉ海人、オマエ太った?」
「二学期が始まって、開口一番その言葉か。相変わらず失礼な奴だ。」
俺がふてくされて答えると、よっちゃんは笑いながら言った。
「嘘だよ海人。ってか、むしろ少し痩せたって。」
「そうか?…いや最近、新たなダイエット方法を見つけて。その名も、『キシリトールガム・ダイエット』って――――」
「はい席に着け〜。」
教室に担任が入ってきて、よっちゃんは慌てて席に戻った。
俺のクラスの担任は、有り難い事にHRが短い。
ちゃんと説明すれば、どんな事でも否定せずに理解してくれる。
しかし、HRは短いクセに何故か話はメチャクチャ長く、小テストの点数に厳しく、怒ると怖い。
おまけに、無駄に大人気なく、忘れっぽい。
俺はたまに、こんなに大人気なくて、忘れっぽくても良いのか?と、疑う事がある…。
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