未熟者の傷跡
「ちょっと読ませてくれる?」
芹川さんが原稿用紙を差し出し、俺は受け取って読み始めた。
「…う〜ん…。この文章に、合宿中に苦労した事と一番印象に残った事、それから合宿から何を学んだか、を書けば、ある程度の長さにはなるんじゃないか?」
「あーそっか。」
「こんなんで平気?」
「うん、大丈夫。ありがとー。」
笑顔で礼を言う芹川さんを見送り、俺は調べ物に戻った。
しかし、調べ物はそれ以上は進まず、俺はPCを閉じてサッカー雑誌を読み始めた。
一緒に帰る友達が俺を迎えに来たのは、およそ30分後の事だった。
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