未熟者の傷跡
しかし、なかなか立ち上がれない。
芹川さんは、俺を見て苦笑した。
「立てないよぉ〜。」
……はい。俺、正直に白状します。
今、芹川さんの可愛さに、若干ときめきました。
漫画じゃないけど、もう「ずっきゅん!!」ってな感じで。
しかし、鈍感な俺は、このとき自分が芹川さんにときめいた事に自分で気付かずに。
ただ優しくてカッコ良い男を演じたくて。
立てない芹川さんに、手を差し出した。
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