未熟者の傷跡

「え?でも、それなら明日の球技大会はどうなるんだ?」

一緒に居た西山が聞く。

「さぁな?延期じゃね?」

「…ったく、よっちゃんの情報もあやふやだなぁ〜。」

「海人は、この急な連休、何に使う?」

俺が溜め息を吐いていると、凛君が聞いてきた。

「う〜ん、そうだなぁ…。あっ、入試の為に脚本書くよ。俺、志望校のAO入試、受けてみる事にしたから。」

「出た!海人の演劇熱。」

「へぇ〜。凄ぇな、海人。」

俺は突っ込んだ西山を無視し、誉めてくれた凛君に笑顔で答えた。

「サンキューな。凛君はこの連休、どうする?」

「あー、遊び行きてぇなぁ。彼女とデートも悪くないし。」

「良いなあデート。っていうか…」

俺はその場のメンバーを見回して言った。

「彼女いないの、俺だけじゃん!!」





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