未熟者の傷跡
次の授業は日本史だった。俺の黒板掃除にも力が入る。
たまたま鳴ったチャイムと同時に、芹川さん達が教室に入って来る。
俺は気付かず、『UNIVERSE』を歌い続ける。
芹川さんは彼女自身の席(先生の真ん前)に座った。
「堀越君?」
俺は黒板掃除を続けながら答える。
「芹川さん?何?」
「…今、歌ってたよね?何の曲?」
俺は振り返って芹川さんを見ると、彼女は笑顔だった。
…俺は、彼女の笑顔から目を逸らせない。
「…えっと、もう解散しちゃったんだけど、Psycho le Cemuと云うバンドの『UNIVERSE』って曲だよ。米米CLUBの『浪漫飛行』カバーしたの。知ってる?」
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