未熟者の傷跡




「海人、危ない!!」


突然、俺は制服の袖を引っ張られた。
ふと気付くと、目の前に電柱が建っていた。


「……春馬、サンキュな。」


「海人どうしたの?さっきからボーっとしてるじゃん?」


よっちゃんに顔を覗き込まれて、俺は目を伏せた。

春馬が自分の手を、俺の額に当てる。


「熱は………無し、と。」
















「…………ひょっとして海人。今、誰か好きな人いるの?」





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