未熟者の傷跡
「海人、そんな事有ったのか?オマエ運動神経良くないんだから、気を付けろよ。」
さすがに春馬が、気遣ってくれた。
俺は、よっちゃんを見る。
「つーか、よっちゃん。よく気付いたな。俺、あの事故の事、家族にしか話してねぇし。」
「いくら運動神経の悪い海人でも、背中を汚すケガは出来ないと思ったからな。」
……コイツ、何気に俺のコト馬鹿にしやがった。
「…じゃあ、よっちゃん。そんなに海人を見てるなら、海人の好きな人も分かるんじゃね?」
…しまった。話がズレていってるから、この話題から逃れられると思ったのに…。
春馬め、くだらない事覚えていやがって。
「うーん…。たぶん、今回の文化祭に参加してない人じゃないかな?……………恐らくは、芹川幸美さん。」
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