未熟者の傷跡




「……………っ!!」



俺は、思わず声が出なかった。
よっちゃんは、的中した。












「……芹川さん?……ああ、文化祭実行委員の。」


春馬は、俺の顔を覗き込む。


「そうなの?海人。」




そうだ、と言おうとして、声が出なかった。
唇が虚しく空を切る。

俺は肯定を示す為に、二人の顔を見てから、大きく頷いた。










……どうして、よっちゃんには分かったんだろう?
直にしか言ってなかったのに。







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