未熟者の傷跡




段ボール収集から帰ってきると、黒板に、お化け屋敷の見取り図が描かれていた。
俺達より速く帰ってきた人達が、早速コース作りに取り掛かっている。


「遅ぇーじゃねえか!!一体何してたんだ?」


俺達が持って帰ってきた段ボールをバラしていると、後ろから西山が声をかけてきた。

…まずい、俺の想いまで喋られると、色々と面倒になるな………(汗)


「悪いな西山。海人が途中で電柱にぶつかっちゃって、持ってた段ボールをぶっちゃけちゃったんだわ〜。」


「ちょっ、よっちゃん………」


勝手に話を作るよっちゃんを止めようとしたが、逆に頭を叩かれた。


「あでっ……………」

「しかも海人もさ、チャリ来て避けようとして電柱ぶつかっちゃったからさー、怒るに怒れないよね。」



よっちゃんの作り話に、西山はアッサリと騙された。

「うわ〜、マジ!?海人も災難だなぁ、ドンマイ。」

西山は苦笑いする。


「ちょっとー、西山君。コレ手伝ってー!!」

西山は女子に呼ばれ、そっちを手伝いに行った。





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