未熟者の傷跡

願っていれば、叶う事もある

その夜、俺は直に電話をかけた。


｢俺？誰にも言ってないよ。｣


｢藍川さんには？｣


｢藍川さん？四組の？言う訳無いじゃん。｣

｢…やっぱし直じゃなかったんだ…………。｣


｢何が？つか、急にどうした？｣




俺は、帰り際の出来事を話す。



｢俺な訳無いじゃん。藍川さんの言う通り、自然に気付いたんじゃない？｣



そう言って、直は電話を切った。








―――俺の想いを、芹川さんが知っていたらどうしよう？


そんな事が、気になって仕方なかった。







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