星空バタフライ
突然だが、ここで昔話をかねて、一つクイズを出してみることにしよう。
あるところに、
容姿成績共に並、
引っ込み思案で内気な男の子が居ました。
その男の子には、想い人が居ました。
その女の子はアヤメという名で、成績優秀容姿も整い、明るく周りからの人望も厚くありました。
叶うはずがない片想い。
ところがどうでしょう。
ある拍子に想いを伝えてしまった彼への返事は、彼自身もおもいのよらないものでした。
夢かと思いました。
彼は、その高3の春、人生の絶頂であり、もう後は下がって行くだけだと覚悟しました。
そして、その覚悟は現実となりました。
一緒に受けた大学も、当日流行りのインフルエンザにうなされ、不合格。そして浪人。
おまけに、
彼女は、某難関大に合格し、学年でも指折りの好青年からの告白を受けました。
さて、
彼女は、その好青年からの告白を断り、男の子の側に居たでしょうか。
答えは、ノーです。
正確に言えば、きっとノーです。
なぜきっとなのか。
その男の子は、自ら彼女を手放しました。
彼女の意思で自分から離れてしまうのを恐れたから。
そのような、考えただけでも胸の張り裂けそうな、もう深い闇から這い上がって来れなそうな道は、彼に選ぶ勇気はありませんでした。
ひどく強い愛情とその性格から、彼は、自分からの別れを望んだのでした。