茄子が繋いだ運命(?)
なのに、食べている所は本当に子供にしか見えない。
…食べている時以外もだけど。
『ふあ〜っ!ごちそうさまでしたっ』
宮は手を合わせる。
食べるの早いなぁ。
宮はくりっとした目を私に向け、見つめてくる。
…っ!可愛い…。
「お…おいしかった?」
『うん!梨里さんの料理、最高!』
…宮は、私をさん付けで呼ぶ。
自分は呼び捨てにしてって言ったくせに。
「そう…よかった」
宮の喜ぶ顔は好きだ。
作って良かった、って思える。
そう言うと、ついいつもの癖で思考の中に溺れていった。
宮は、抵抗ないの?
他人の家に料理を食べに行くのは?
まぁ、おばあちゃんがよく宮にご馳走してたみたいだけど…。
あれか、宮は茄子の為に来るのであって…――
『梨里さんっ!』
「わっ!」
大きな声に我に返ると、宮はふっと笑った。
『梨里さん』
「…はい?」
『明日は日曜日だから、何かご馳走させて?』
そう言って、首をかしげる。
「……えっ??」
『だから、ぼくはいつもこうしてよばれているから、日頃のお礼として』
そっ、それはデートっていうこと!?
「じゃあ…お願いします…」
『ほんとう!?実は紹介したい店があるんだ』
宮は、素直に私にお礼をしようとしている。
ふつう、そこらへんの女の子だったらこれを聞いたら期待しちゃうよ。