君とベンチで…
「美香ちゃん!」
「あら、葉音ちゃん…どうしたの?」
「さっき先生と話した!」
「……知ってるわ」
「え?」
美香ちゃんは一瞬まずい顔をして口を押さえた。
「あ……ここの、ま…窓から見えるのよ!」
美香ちゃんは慌てて小さな窓のカーテンを勢いよく開けた。
そこには先生の座るベンチがちょうど見える位置にあった。
「あ…本当だ」
「ごめんなさいね。別に覗くつもりは無かったの…」
「だから美香ちゃん慌ててたの?」
「え?…」
「私は別に見られても平気だよ!」
「そ……そう…なら良かったわ。」
美香ちゃんは複雑そうに笑っていた。
「てか、むしろ見てもらいたい!私が先生と仲良くしてるところ!」
「あはは……そうなの?」
「うん!」
私は完全に浮かれていた。
何も知らずに