君とベンチで…
一週間前
いつものみたいにベンチに座って先生を待っていた。
いつもなら授業が終わって10分もしないうちに
先生が来て、楽しく話をして、笑っていた。
なのにその日はいくら待っても
先生は来なかった。
視線を感じて振り返ると
美香ちゃんが保健室の、あの窓からこっちを見ていた。
「美香ちゃん…」
窓に歩み寄って話を聞いてもらおうとしたけど
美香ちゃんは私から視線をずらし部屋の奥へ行ってしまった。
この窓からは保健室の全体が見渡せた。
だから、白石先生が保健室に来たのも見えた。
「先生……」