君とベンチで…
二人が楽しそうに話す姿を私はただ眺めることしか出来なかった。
私は部屋に乗り込んで二人の間を邪魔したかったけど、
入り込む隙間もないくらいに二人は仲が良かった。
何を話しているか聞こえなかったけど
白石先生は私と話している時には見せない顔をしていた。
私は静かに嫉妬心を燃やしていた。
美香ちゃんは私の気持ちを知っているよね?
さっき目も合ったから
私がここにいることも知っているよね?
なのに何で?
もどかしい気持ちを持て余していると
美香ちゃんは突然、先生の首に抱きついて
キスをした。
衝撃的すぎて私は呆然としてしまった。
先生は拒む所か
美香ちゃんを受け入れてさらに激しくキスをする。
"見たくない!"脳はそう叫んでいるのに
体が動かない。
ここから立ち去りたいのに足が動かない。
二人は何度もキスを重ねてついにはベッドに倒れ込んだ。
そこでやっと私の体は言うことをきき
保健室に背を向けて
まぶたからは涙が溢れていた。
『失恋』と『裏切り』の文字が頭から離れなかった。