君とベンチで…
走り出したは良いけど
行き先が分からない。
授業が始まってもう既に30分が過ぎていた。
こうなったら!
仮病を使って保健室で休ませてもらおう、
今さら行ったってどうせ怒られてしまうんだから…
ガラガラ…
「失礼します…」
「はーい!どうしたの?」
「…あの、生理痛が酷いので休ませてもらっていいですか?」
「はい、どうぞ」
保健室の先生は可愛らしくて、綺麗で、優しそうな人だった…
「ん?どうしたの?そんなに私の顔を見て…」
ウフフっと笑う彼女から暖かい雰囲気が感じられた。
「私…先生みたいになりたいです……」
「へ?私?!」
目を丸くして驚く姿さえ可愛らしい。
「…いえ、なんでも無いです。すみません……」
頭を下げて私はベッドに潜り込んだ。
「おやすみなさい…」
そう言って先生はそっと布団をかけてくれた。
私が男子だったら、間違いなくこの先生に惚れていただろうな……