purelove
幼い日の約束
昔むかし…。今から13年前の事になります。
幼い女の子が河原で淋しいそうに一人ポツンといました。
女の子は今にでも泣きだしそうな表情で、うずくまって石を手に取っては川に向かって思いっきり投げていました。
そんな姿の少女を見つけて、色違いのティシャツに野球帽子をかぶった二人の男の子が声をかけてきました。
女の子は声が聞こえた方に振りかえって、ちょっとびっくりしていたのです。泣きだしそうだった女の子も涙が引き、ドングリお目が開いてましたそれもその筈です。
二人の少年は同じ顔していたのですから…。
今はあまり珍しくありませんが、双子の男の子達だったのです。

「なにしてるの?」
赤いティシャツを着た優しい顔だちの男の子が聞いてきました。
次いで青いティシャツのいかにも悪ガキみたいな男の子がぶっきらぼうに言ってきたのです。
「わり~んか!川に石投げたら駄目なんで!」
女の子は涙がドン引きしていたのに、また涙目になり思いっきり泣きだしました。

「泣かないで…」
「な…なんだよ急に泣き出して!!」

二人の少年達はオドオドしながら、少女に近寄って行きました。

「パパと…ママが…」

泣きながら少女は少年達に伝えました。
それもそのはずです。
いきなり少女の両親が他界してしまったのですから…。
今日は少女の両親のお葬式だったのです。

少女にとって大好きだった両親が突然目の前からいなくなってしまったのですから…。泣きだしたい気持ちも抑えこんでずっと一人で頑張ってきたのです。

「そっかぁ~。よく泣かずに我慢したね」
「う~ん。オレ何も言えないから、あとは兄ちゃん任すわ」
「きみ名前はボクは青海緑であっちが弟の陸」「如月若葉…」
「若葉ちゃんね。かわいい名前だね。今日からボク達が若葉ちゃんの家族になるよ!だから泣かないで…」
「かぞくになっても…パパやママみたいにいなくなるもん!わかば一人置いてどっかに行っちゃうもん!!」

少女は泣きながら自分の思いを少年達にぶつけました。
この時初めて少女の本音をぶつける事が出来たと思います。

「約束する。若葉ちゃんを一人置いてボク達はどこにも行かないよ!」
「オレも行かない!」

泣きじゃくっていた少女が顔上げて確かめました
「ほんと?わかばを一人にしない?」
「 約束!指切りげんまん…」
「ウソついたらハリ千本飲ます…」

二人の少年達は指切りをして約束してくれたのでした。
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