死神の嘲笑
部屋に入ると、朱理が一人で浅く椅子に腰掛けていた。

魂の半分が逃げてしまったかのように、視線がおぼつかない。


「お帰り。あれ? 死神さんも?」

「うん。俺が話したくて、無理やり連れて来た」

当初より僅かに落ち着きを取り戻した死神が、尋ねる。

「どういうご用件ですか、小田嶋さん」

キッと死神を睨みつけた友弥は、口を開いた。

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