死神の嘲笑
けれども、振り返ると声を絞り出した。

「少し、お話したいことがあります。四日後、つまり、あなた方がここへ来てから五日目のこの時間にお訪ねしてもよろしいでしょうか」

臨は素早く朱理、友弥と目配せをする。

二人は微かに、首を縦に振った。


時計の短針は九を指し、長針と短針が丁度九十度を作り出している。


一方、梓は人形のように、相変わらず身動き一つしない。

見ていると、痛々しくて仕方がない。

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