死神の嘲笑
「はい」

怯えを隠した声で臨が返事をすると、入ってきたのは、死神だった。

大きな箱を、両手で抱えている。

「実は昨日、五月九日は三留さんの誕生日でした。ですので、何かプレゼントを、と思ったのですが、今は刺激しないほうが良いと思いました」

「それで、今持って来られた箱は?」

「あなたへのプレゼントですよ、栗原さん。栗原さん、あなたは五月十一日、つまり明日が二十五回目の誕生日でしょう」

右の口角を、死神は上げた。

「はい。よくご存知ですね」

「ええ。あなた方のことは、しっかり記憶しています。現世に降り立って、調査していましたから」

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