死神の嘲笑
「「何、これ?」」


胸ポケットに『栗原』と黄色の糸で刺繍が施された青い作業着。

一見は扇風機のようでもあり、換気扇のようでもあるが、それらよりは小さな物体。


目を丸くする朱理と友弥だったが、臨は落ち着いている。

「これは送風機。圧力によって空気やガスを送り出すんだ。僕の仕事の場合、酸素濃度が少ないマンホールに入る時なんかに使う。これで空気を入れ換えて、酸欠を防ぐんだ」

「そんなものをどうして死神が?」

誰にともなく、朱理は言う。

「分からないけど、僕の推測では……」

ゆっくりと臨が言葉を切った。

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