死神の嘲笑
「栗原、物理を教えてくれよ。お前、得意だろ? お前が教えたら、身に付くかもしれないし、俺も助かる」

邪険に断ることもできたかもしれないが、菊野の顔を見ると、自然と首を縦に振っていた。



臨は高校三年間の努力の成果で、第一志望の有名国立大学に現役で合格。

そこで基礎工学を学び、地方公務員になれば、安定した人生を送ることができるだろう、と考えていた。


一方、菊野は同地方にある私立大学に合格していた。

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