死神の嘲笑
四人が使用している部屋がドーム内の最南端だとしたら、ここは最北端だろう。

そんな場所へ、朱理はやって来た。


ざっと六十の墓石が並んでいる。

その墓石には各々、数字が刻まれていた。

最も大きそうな数字は、九十五のようだ。


墓地全体を見渡す朱理の目に、或る人物の背中が映る。

知らず知らずのうちに、呼び掛けていた。

「死神さん」

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