死神の嘲笑
相変わらず、何かを映すことを拒むような瞳が、こちらに向けられる。

一歩一歩、朱理は死神へ近付いていった。


『七十四』

そう印された墓石の前で、死神はしゃがんでいた。

「私の、一番の友達でした」

納得が行く。

この死神の本名は、死神ナンバー七十五。

一番違いということもあり、親交を深めていったのだろう。


指と同程度の長さの爪で『七十四』をなぞりながら、死神は口を開く。

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