死神の嘲笑
「私の命も、もうすぐ尽きます。ですので、人が少ない時間を見計らって、最後に会いに来たんです」

「そうですか。死神さんに、睡眠は必要ないんですか?」

「若い頃は眠らないと碌に活動できませんでしたが、今は一時間の昼寝程度で何とかなります」

短い、沈黙が漂った。


「あの、こんなことをお尋ねしてもよろしいでしょうか?」

授業中、そろそろと手を上げる小学生のように、朱理が沈黙を破る。

< 157 / 270 >

この作品をシェア

pagetop