死神の嘲笑
最近の不眠症薬では、大量摂取しても命を絶つことができない、と知っている。

だが、自分を傷付けることが、母への償いのような気がした。


五月九日から、五月十日へ移行した瞬間。

自室の電気を消す。


朱理は一錠一錠、薬を口に含んでいこうと決意した――。


× × ×

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