死神の嘲笑
赤い何かが、顔を覗かせている。

芋掘りに夢中になる小学生のように、薬の存在など忘れて赤い何かを取り出そうとする朱理。


「見てください」

朱理の右手にちょこんと乗った、赤い箱。

蓋に印字された、『一』の文字。

「やりましたね、末光さん」

「はい」

自然と、口元が緩んだ。

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