死神の嘲笑
「やはり、死神王のヒントは的確だ。ということは……」

「……あとは友弥の何だっけ? 炭酸カルシウムだけ」

臨の言葉を引き継いだ梓に、友弥はムッとした視線を送る。

「水酸化ナトリウムだから。しかも、俺のもの、って紙には書いてなかったよ」

「あんただけ直接箱に関わってないから、水酸化何とかは友弥がどうにかするんだよ」

「勝手に決めないでよ、梓さん」

若干の険悪ムードを感じ取った朱理が、言葉を発する。

「ちょっと、箱を金庫にしまってくるから」

「宜しくねえ」

梓の声を背で感じながら、朱理は部屋へ足を踏み入れた。

< 188 / 270 >

この作品をシェア

pagetop