死神の嘲笑
「すぐに答えを出して欲しいわけではありません。ただ、私は……」

先程までの弱々しさを払拭した、強い光を灯した目を梓に向ける。


「必ず、明日の午前九時にこちらへ伺います。あなたの判断に関わらず。それでは、お騒がせして申し訳ありませんでした」


四人とも止められぬまま、死神は夜の世界へ戻っていった。


何かを決意したような雰囲気の漂う背中を、梓は呆然と眺めていた。

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