死神の嘲笑
時計の長針は十二を、短針は十を指している。

死神は一時間で帰ったようだ。

しかし、梓にとっては数倍の長さのように感じられた。


「少し早いけど、休もうか? 梓ちゃん」

もう自分には何かをする気力が残っていない。


ありがたい朱理の言葉にこくんと頷いた梓は、自室へと戻っていった。

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