死神の嘲笑
健太とはもう二度と会えないのだろうか。

前回も、ビーチボールを切り裂いて、怒りを買ってしまった。


どうして、自分はこんなにも不器用な生き方しかできないのだろう。

ふがいなさが胸を支配し、再び瞳から滴がこぼれ落ちる。


だけど、一つ、決心した。


自分は十分、泣いた。

だから、もう、手首から溢れる赤い涙は流させないでおこう、と――。

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