死神の嘲笑
前回扉がノックされてから半日。


再び、コンコン、という音が響き渡る。


スーツではなく、タキシード姿に戻った死神だ。

両手に或るものを抱えている。

「三留さん、どうしましょう?」

ぼんやりと椅子に座っていた梓だが、死神の両手を見るなり、瞳に光が戻った。

「行きます。行かせてください」

にこやかに、死神が頷く。

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