死神の嘲笑
「行ってらっしゃーい」

友弥の声を背に、梓は死神と共に外へ出る。



「ビーチボールを持っているということは、健太に会いに行くんですよね?」

「その通りですよ、三留さん。これは矢口健太さん専用の、新しいビーチボールです」


健太に会えるのは、きっとこれが最後になるだろう。

彼の反応はともかく、もう一度だけでも言葉を交わしたい。


そんな思いで、梓は外へ出ることを決めたのだ。

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