死神の嘲笑
健太の笑顔を脳裏に焼き付け、梓を背を向ける。


瞳から流れる滴は、止まることがなかった。

「三留さん、失礼ですが、そのような状態では部屋に帰りにくいでしょう。もしよろしければ、散策でも楽しみませんか?」

「死神さんも付き合ってくれるんですか」

「ええ」

確かに、このまま朱理や臨、友弥と会っても心配を掛けるだけのような気がする。

母親の言うことを聞く子供のように、梓は素直にこくんと首を縦に振った。

「どこか行きたい所はありますか?」

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