死神の嘲笑
「このことを誰かに言ったら、もっとひどい目に遭わせてやるからな」

或る日、いじめの中心人物が友弥に言い放った。

「どうして、俺が標的になったんだよ」

声が震えぬよう、細心の注意を払いながら、問い掛ける。

「何となくムカツいたんだよ。俺が嫌いな化学が得意みたいだし」

そんな理由で、という言葉は飲み込む。

「まあ、よーく覚えておけよ。口外したら、どうなるか楽しみにしてるってことを」

膝が、ガクガクと震えた。

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