死神の嘲笑
この世界に関して語っても、答えは出ない。


判断した臨と梓、友弥は各々の日常について話していた。


地方公務員である臨に、大学生の梓、高校生の友弥。

全く異なる日常生活を送っていたから、話が尽きることはなかった。


わざわざこんな地で、と皆は思いつつも、現実逃避の手段として、会話を続けるしかなかったのだ。


そんな時だ。

開け放たれた扉から見える、若い女の乗った車椅子を押す、死神の姿がだんだん大きくなり始めたのは。


いよいよ時が来たのだ、と感じた三人の間を飛び交う会話は、消えた。

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