死神の嘲笑
死神が去った後も、水を打ったように静まり返っていた。


半時間きっかりで戻ってきた死神は、ゆっくりと口を開いた。

「あなた方の任務、それは四つの箱を捜してもらうことです」

「箱を捜すぐらいなら、あなたにもできるのではないですか?」

不満そうな口ぶりで、梓が言う。

「実はそうも行かないんです。死神にはこの世界に来てから、寿命があります」

「し、死神にも寿命があるんですか? どのぐらいですか? 死んだ後はどこへ行くんですか?」

目を丸くしながら、友弥が矢継ぎ早に質問する。

< 32 / 270 >

この作品をシェア

pagetop