死神の嘲笑
「皆さんには四つの箱を捜してもらいます。期限内、一週間で達成できましたら、願いを一人につき一つずつ、叶えます。私の可能な範囲で」

「たとえばどんな願いなら可能なんですか?」

恐る恐る、朱理が尋ねる。

「楽に、苦しまずに死にたいとか、現世で億万長者になりたい、といったようなものですね」

「現世に戻れるんですか?」

「そうですよ、末光さん。但し、成功した場合は、ですが」


言葉を切り、死神は一瞬、瞼を閉じた。

「しかし、失敗した場合には、戻れません」

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