死神の嘲笑
「「「「戻れない?」」」」

ぴったりと重なった四人分の声に、死神は口元を緩める。


「はい。『無』の世界へ、私に同行してもらいます」

「そんな……」

小さな呟きを友弥が漏らしたが、残りの三人は『氷おに』で鬼に捕まった時のように、ちっとも動かなかった。


「まあ、いいではありませんか。もともと、皆さんは死にたかったのではないですか?」

「そうですけど、私は本気ではありませんでした。勝手にわけの分からない世界へ連れて来られた上に、失敗したら何とかだとか、ひどすぎる」

梓が、一気にまくし立てた。

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