死神の嘲笑
「現世では『集団自殺』というものが存在するようで、その心理は私が述べたフレーズと似ているのではないですか」?


歯並びの良い、白い歯が口から顔を覗かせる。

笑みを浮かべる死神。

四人には、それが自分達を『弱虫』だと見下す、嘲笑にしか思えなかった。

「確かにあなたの言うことにも一理あります。しかし、僕達は――」

鋭い視線を朱理と梓、友弥に送る。

「四つの箱を期限以内に見つけてみせます。それなら、あなたは僕達を嘲笑うことはないでしょう」

「何も嘲笑うなど、していませんよ」

そう口にした死神の表情は、なぜか儚げだった。

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