死神の嘲笑
「あ、そうだ、栗原さん」

思い出したように、死神が声をあげる。

先程の表情は、一瞬で消えていた。

「死神王からの文書にもあったように、あなたがこの中で最年長です。従って、あなたをリーダーに任命してもよろしいでしょうか?」

「いいですが、リーダーの役割とはどのようなものなんですか?」

「ここにいる人達は、形は違えども、心に傷を負っています。万が一、その傷が深くなった時に、あなたに対処方法を考えてもらいたいんです」

不安そうな臨を、死神は励ます。

「あなたなら大丈夫だと思いますよ、栗原さん。あなたには芯の強さがあると思います」

「ありがとうございます」

臨は、表情を和らげた。

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