死神の嘲笑
「いいんですか? あんな宣言をして。達成できるかどうか分からないのに」

怒りが混ざった声で、梓が言う。

「自分達に活を入れなければ、尋常ではないこの地でやっていける自信が湧かないんです」

「そっかあ。納得しました」

「自分を追い詰めなければ、こんな場所では何もやっていけない気がしたんです。不気味で、怖いじゃないですか。僕は、怖がりなんで」


臨の言葉を聞いた朱理が、首を横に振る。

「私だって勇気は全くありません。むしろ、死神の手前で、あのようなことを言った栗原さんは凄いと思います」

「ありがとうございます」

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